現在 東南アジアにおけるベトナムのポジションはどんなものでしょうか?人口は9000万人と日本より少なく タイより多いという感じでしょうか?また ベトナムの平均年令は28歳と非常に若い国です。これはベトナム戦争の影響でベトナムならではという特殊事情を考えても今後ベトナムは人口が増加することは容易に予想できます。そう遠くない時代に日本との人口逆転現象が起きるかもしれません。
1980年代後半のドイモイ政策が外国企業進出の最初のブームでした。ベトナム政府が国の近代化を推し進めた最初の改革開放政策ですね。ベトナムに初期に進出した日本企業はこの頃からある会社が多いです。
その後2000年代の二次進出ブーム そして今回のポストチャイナ・プラス・ワンとも呼ばれる昨今のにわかブームです。世界の工場と呼ばれた中国が人件費の高沸やストライキの多発で計画どうりの生産が出来なくなり 次の新天地を求めたのが現在のベトナム進出ブームです。この背景には南沙諸島問題で対立する中国と距離を置き親日政策をとっていて、そんな事も影響して 当地に進出している日系企業数は1500社ですが今年は前年とくらべて10%以上増え続け1600社と進出が好調な地域でもあります。また最近 盛んに言われるのがアジアハイウェイと言われる東京からイスタンブールまでを結ぶ道路の計画です。この中でおよそ1200キロに及ぶホーチミンからミヤンマーのダウェーを結ぶASEAN南部経済回廊という道路が現実に完成した事も大きいでしょう。
生産分野で日系企業や欧米企業にとって東南アジア最大の拠点はタイ王国であり日系企業はベトナムの三倍 4500の日系企業が進出しています。特に自動車産業ではタイと中国の広州に多くの生産拠点があり このアジアがハイウェイができると大きな恩恵をうけることになります。
その中間地域であるベトナムでも自動車関連部品の工場が多く進出しています。またベトナムは毎年日本に技能実習生を毎年二万人程度日本に派遣しており 帰国後に多くの実習生が日系企業で働いており 日系企業が優秀な人材を集めやすい環境があります。
スケールでこそ中国に敵いませんが 非常にポテンシャルの高い国でもあります。また近年ではベトナムの富裕層が増加して 日本を訪れる訪日外国人の中で人数こそ中国人に敵いませんが 一渡航あたりの消費金額はベトナム人が世界一と言われています。さらにベトナム人の中流主義(国民の84%が自分たちに生活は中流クラスだと思っている)がマーケットとしてのベトナムを形成しようとしています。国民の大半が若く所得も上がっていることから消費活動に意欲的で贅沢品も多く売れています。
これは今まで路肩の物売りと市場で買い物が中心だったのに スーパーマケットやコンビニ そして百貨店など欧米型の消費スタイルが定着した事も大きいと思います。
それは製造業が中心だった日系企業の進出も最近ではサービス系の企業の進出が目立ってきた事も大きいでしょう。日系ではファミリーマートやイオン また百貨店の高島屋が本年中にオープン予定です。さらにローカル向けの都市開発を請け負った東急グループは分譲マンションもありますがその地域の路線バスも走らせています。(ビンズオン省)
なぜこのようなサービス産業までもがベトナムを目指すか?ベトナム政府が積極的な政策を行っている事も当然ですが 一番には日本国内の閉塞感だと思います。売上も中国人の爆買をアテにしていますが 中国と日本の関係は非常に難しい状態が続いています。せっかく免税の売り場を作っても出来た頃には中国での税制がかわり訪日中国人が爆買をしなくなってきて 銀座の百貨店の免税フロアは閑古鳥が鳴いている始末です。
大きな違いは日本はベトナムにとって最大の援助国であり 先生でもあります。ベトナム政府と日本政府のパイプは熱く 近隣国では台湾に次ぐ親日国であるという最大のポテンシャルが強みで さらにこの傾向はしばらく続く事が今のベトナム良さだと思います。
投稿者プロフィール
-
はじめまして 日本では主にメディア関係の仕事に従事してお
りました。九州育ちですが ベトナムの暑さにはヘロヘロにな
りながらも日々楽しく暮らしています。ベトナムの前は10年
中国の北京におりました!よろしくお願いします。
この投稿者の最新記事
- ③ベトナム生活情報2016/7/27/【コラム】ベトナムのバイクと地下鉄
- ③ベトナム生活情報2016/7/19/まもなくオープン!高島屋ホーチミン店 急ピッチでオープン準備中
- イベントレポート2016/7/14/【特報!】なんと成田から片道10,690円! バニラエアー ホーチミン線開設
- ①ベトナムで働く2016/7/12/【コラム】ベトナムのポジション