どうもベトナムWALKERsのむろいです!
コロナ下で厳しくなったと噂されるベトナムの労働許可証の”申請基準”を、一般人のヘイ太でもわかるように説明する試みです。
ヘイ太です。最近ニュースで「労働許可証をとる条件が厳しくなった!」って言われてますけど本当です?
厳しくなった点もありますが、実際は全部が難しくなったのではなく、一部はラクになった点もあります!
ラクになった点については知らない方も多いので、そこも説明しますね。
労働許可証で困っている方にとっては大事なヒントになりますのでぜひご参考ください。
労働許可証って何?
そもそも労働許可証って何です?ビザとは違うんですか?
違います。労働許可証とは、ベトナムの会社で働くことを許可する証明書です。呼び方はワークパーミット(WP/Work Permit)でもOK!
ビザ(VISA=査証)とは、ベトナムに滞在することを許可する証明書です。種目としては観光ビザ、ビジネスビザやテンポラリーレジデンスカード(TRC/一時滞在許可証)等があります。
労働許可証の法改正はいつ?
労働許可証の法改正はいつですか?
2021年2月に規制厳格化と緩和の2つがあり、そこから同年9月にまた法改正があり、緩和されました。
厳しくなった点は?
厳しくなった点はどこです?
まず厳しくなったのは「専門家」ですね。
専門家?
ベトナムの労働許可証は3つの種類があって、1.管理者、2.専門家、3.技術者ですが、このうち「専門家」のみ審査基準が難しくなりました。
しかも今までは、だいたいの人がこの「専門家」で労働許可証を取ってたんで、手痛いですよね。。
労働許可証って3種類もあるんですね!
そのうちの「専門家」ってのは、どんな点が難しくなったんですか?
法改正の前までは高卒でも、「専門家であることの証明書」という定義がガバガバな書類さえあれば専門家として申請が通ってたんですが、新法からは「大卒+3年以上の実務経験」または「国家資格+5年以上の実務経験」じゃないとダメになっちゃったんですよ。
※厳密には「大卒」ではなく「学位」が求められているので、高専(高等専門学校)や短大の学位でも認可が取れます。
専門家なら、「大卒または国家資格」+「3~5年以上の実務経験」の2つの書類がいるんですね。
更に、新法で厳しくなった点としては「卒業した学部」や「実務経験」等の専門性と「これから働く仕事内容」とが厳格に関連してないといけなくなりましたね。
※9月9日付の規制緩和によって、「卒業した学部」と「職務経験」は関連性がなくとも認められることとなりました。
”専門家として”働くなら、少なくとも3年以上の実務経験が必須になったのですね。
はい、旧法までは実務経験が1年でも申請が通っていたのですが、実務経験3年を証明する書類を作れない方は、専門家以外で労働許可証を申請しなければなくなりました。
ラクになったのは?
「専門家」、、厳しくなったのか。。じゃあラクになった点は?
3種類の労働許可証のうちの1つである「技術者」がラクになりました!
旧法では3年以上の実務経験に加えて「1年以上の研修経験」の証明書が必要だったんですが、新法からは、新しい枠組みが増えて、「5年以上の実務経験」の証明書のみでもOKになりました!
「専門家」と違って高卒でも経験さえあれば申請がカンタンになった点は大きなポイントですね。生産技術、ITエンジニア、建築設計、機械設計などが当てはまりますね。
※「研修経験の証明書」とは、ベトナム国外の企業、機関などが発行する書類を指すのですが、定義が曖昧で、事例としてはあまり使われていない印象です。
へぇ!でも「技術者」枠は、理系職じゃないとダメそう。。
文系の僕には縁のなさそうな話ですね。
たしかに「技術者」は主に理系職(IT、設計、製造技術など)が多いですね。
でも例えば、文系でも工場の生産管理+営業など生産活動に携わっている人であれば「生産技術」として申請し、「どうしてもこの人が必要だ」と申請理由を工夫して書くことで労働許可が降りるケースもあります。
なるほど!建前が合っていれば、文系でもチャンスはあるんですね。
それでも、3~5年以上の実務経験を証明する書類を作ってくれる知人のいない僕にとってはまだまだ難しそうだなぁ。
「管理者」として申請する手もある!
そんなヘイ太さんでも、最後の切り札である「管理者」枠もあります。
「管理者」!3種類の労働許可証のうちの最後の1つですな?
でも、僕には管理者の経験がないから難しそう。
はい。この枠組みはベトナム語の原文でも「管理者(Nhà quản lý)」という直訳のまんまなのですが、会社の「代表者・社長」または「副代表・副社長」でないと申請が通りにくい点が特徴です。
あらら。管理者どころか副社長なんて経験したことがないので、、「管理者」としても厳しそう。
たしかに「副社長」と聞くと一見あきらめがちですが、ベトナムの会社の中には、副社長が二人以上いる会社もあったりするので、日本人感覚で言う”副社長”よりはハードルが低めかもしれません。
ちなみに、私自身はこれまで「専門家」でしたが、新法から「管理者(副社長)」に切り替えました。副社長と聞くと「会社の株を持っていないといけないのか?」と聞かれることもありますが、私自身は1株も持ってませんが、許可が取れました。
日本とベトナムで言葉の意味や捉え方が若干変わったりもするんですね。
もう一つの事例としては、一見「副社長」とは言い難いような若い日本人でも、日本人がほとんどいない会社であれば、「管理者(副社長)」として許可が降りた事例も知っていますね。
ベトナムの日系企業は日本人が1人しかいない会社もたくさんあるので、そういう会社であれば僕でも就職できるチャンスがあるのかもしれないなぁ。
その他のポイント①:ベトナム人配偶者がれば労働許可証は不要
ちなみに2021年の法改正で、ベトナム人と結婚された方は、労働許可証を取得しなくても働くことができるようになりましたよ。
え! 僕、ベトナム人の嫁がいるから、労働許可証なくてもよかったのか!
まあそうとも言えますが、配偶者ビザは自分で用意するのも手間なので、もし労働許可証が取れるのであれば、労働許可証を会社に取ってもらう方が良いと思いますね。労働許可証があれば2年分の滞在も許可されますから。
その他のポイント②:労働許可証の更新が新規扱いになる項目はなくなった!【←ココ重要】
2021年2月の規制強化の中の1つに、労働許可証の更新が新規扱いになって、1から書類を全部かき集めないといけなくなりましたが、同年9月の規制緩和で、専門家と技術者の証明書類となる実務経験証明書について、取得済みのWPが経験証明書の代わりとして認められるになりましたので、ズバリ、すでに技術者か専門家の労働許可証を取得した経験がある人は、労働許可証の更新、及び転職先での新規取得が旧法通りに緩和されたと言えるでしょう。
※管理者の方は、まだ任命状や経験証明書が再提出しないといけないのかもしれませんが。。
まとめ
最後に、2021年における労働許可証に規制強化と緩和における法改正のポイントについて以下にカンタンにまとめてみました。
①労働許可証の種類は3種類ある
A. 専門家:やや厳しくなった。
└国家資格+5年実務経験
または
└学士(主に大卒)+3年以上の実務経験
※短大・高専でも学士として認可される事例も多数あります。
B. 技術者:ラクになった。
└1年以上の研修経験+3年以上の実務経験
または
└5年の実務経験のみ(高卒や中卒もOK)
C. 管理者:変化なし。専門家、技術者がNGだった人は最後の切り札!
└会社の代表者または副代表者としてふさわしい証明書
および
└入社先の会社に代表者また副代表者の役職に空きがある。(副代表者=絶対1名じゃなくてもOK)
②2021年からベトナム人の配偶者がいれば労働許可証が不要
③2021年2月に、労働許可証の更新が新規扱いになったが、2021年9月にその条件が緩和され、技術者と専門家においては、更新が2020年までの旧法通りラクになった。
以上、弊社では労働局などベトナム当局と強い信頼関係を持った労働許可証の取得代行エージェントの紹介も行っております。紹介を希望する方は、氏名、連絡先、会社名等を記載の上、お問合せフォームからご連絡ください。
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■日本貿易振興機構(JETRO):ベトナムの労働許可書/ビザの取得手続き(2017年6月情報)
※古いデータなのでご注意ください。
■在ベトナム日本大使館:労働許可証の取得に係る留意事項(2021年6月情報)
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- 新卒からベトナム10年の人。ベトナムで働く!を応援するため日の本紹会(就職サポート会社)を立ち上げる。ベトナム就職・転職相談からざっくりとしたキャリア相談まで何でも聞いてください。お気軽にコンタクト頂けると嬉しいです!